2019 有馬記念 回顧 アーモンドアイ サートゥルナーリア リスグラシュー

1着 △リスグラシュー

2着 ○サートゥルナーリア

3着 無ワールドプレミア

4着 △フィエールマン

5着 注キセキ

8着 ▲ヴェロックス

9着 ◎アーモンドアイ

10着 注エタリオウ

12着 △スワーヴリチャード

 

ラップ

6.9 - 11.1 - 11.4 - 11.4 - 11.5 - 12.2 - 12.3 - 12.1 - 11.7 - 12.3 - 13.4 - 12.2 - 12.0

1000m通過 58.5

 

アエロリットがここ10年見ないレベルの速さで逃げ、向こう正面では去年より3秒弱速い流れに。今年のサートゥルナーリアのポジションに去年のキセキが来るくらいの超ハイペースになりました。結果的に掲示板に入った馬は全て道中10番手以下、さらに言えば7着までも全て10番手以下という、完全な前崩れの競馬になりました。

 

以下が向こう正面でのポジションとラップになります。

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リスグラシュー

スタート後すんなりと内を取り4角までそのまま。速い流れの中、絶好のポジションを立ち回りました。4角で外のスワーヴリチャードとヴェロックスと併走する形になり、進路が狭くなったかと思われましたが、少し強引な形で外に持ち出し、後は圧倒的な手応えでムチを使わずに5馬身の圧勝。直線での突き抜け方には驚かされました。宝塚記念は力のいる馬場への適性があった、コックスプレートは相手関係に恵まれた、というように実力の評価をしたことが大きなミスでした。

 

アーモンドアイ

今更実力を疑うタイミングでもないですが、予想時に認識していた不安材料を再確認すると、熱発後であること、初めての中山であること、2500mの距離に不安があること、でした。レースを振り返ると、まず、1コーナーを過ぎたところでフィエールマンの後ろに入れることができず、サートゥルナーリアと併走する形になりました。スタンド前では歓声の影響があったのか、掛かり気味で外を回してアルアインの後ろまで上がっていきました。この後の1コーナーからの上り坂である程度ラップが落ち着けばもう少しやれたのかもしれませんが、ここから12.2、12.3と、この区間で過去10年最速のラップを刻み、かなり消耗してしまったと思われます。結果、直線で坂にかかると走るのをやめてしまいました。結局、初の中山かつ2500mで、スタンド前を通るコーナー6回のレースだったことがかなりマイナスに作用したと考えられます。前走、内を回ってイン突きという簡単な競馬をしたことをもう少し考慮するべきだったことが反省点かと思っています。

 

サートゥルナーリア

スタート後アーモンドアイを前に見る形で進んでいましたが、1コーナーでアーモンドアイが外によれたタイミングでフィエールマンの後ろを確保。スタンド前でアーモンドアイが捲っていったとき、サートゥルナーリアも掛かりかけていましたが、スミヨン騎手がしっかり抑えてフィエールマンの後ろに入れ直した所は流石だと思いました。同じように立ち回ったフィエールマンも差し切り、2着は十分力を見せてくれました。想定していた2018年程度の一息入るラップとは異なり、グラフからわかるように12秒前半での追走となりましたが、ラスト1Fまでの加速は抜けており、成長を感じました。歓声や気性の問題が言われていましたが、この結果をみると中山での割増評価あるいは東京での割引評価が必要なのかと考えさせられます。

 

ワールドプレミア

実力が少し足りないなかで、1発狙いの騎乗で展開がきれいにハマりました。武豊騎手の完璧な騎乗でした。ただ、次走で人気した場合は成長分も加味しながら少し疑問視したい1頭ではあります。

 

ヴェロックス

 もう1列後ろで競馬できていれば着順は上がったと思われますが、斤量面で有利があってこの結果では、実力がもう一つ足りないのではないか、というのが正直な感想です。やはり距離も長かったように感じます。2000m前後で先行して粘り差しという形が、この馬にとってベストなのではないでしょうか。ハーツクライの血も流れていますので、どこかのタイミングで急成長してくれることに期待したいと思います。

 

フィエールマン

凱旋門賞帰りで身体的状態やメンタル面を心配していましたが、全く問題にしないようなパフォーマンスを見せてくれたと思っています。4角での進出が早かったために、ラスト差されてしまいましたが、これはアーモンドアイをマークした結果で仕方ないと思われます。もう少し前に出すのを我慢していれば3着には確実に残っていたはずです。実力は十分で、なおかつ状態面に不安も出ていないため、来年は国内で着実に結果を残していくと考えています。母も他のディープインパクト産駒に多い米国の早熟血統ではなく仏系の血を引いている点もまた、来年のパフォーマンスを楽しみにさせる点ではあります。